」
そして青がワクチンを打った人、黒が打っていない人である。言うまでもなくこの殆どはデルタ株だ。フロリダはワクチンを2回接種した人の割合は52%前後とアメリカの中では平均的な州である。これだけ数が違えば年齢や性別・人種・基礎疾患・喫煙率などの個別のデータがなくともどっちがいいか明らかであろう。これまでは日本ではアメリカほど多くの患者数が出たわけでもなく、死者がいたわけでもない。しかしデルタ株になった今、多くの事実がこれからは違うであろうことを示している。東アジア人は感染率・死亡率とも従来株では低かったが、デルタ株の感染拡大下においてはインドネシア在留の邦人がかなり感染して死亡したことをみても様相を異にしている。感染力は従来株の2倍以上、水痘ウイルスと同等と聞く。保育所に子供を預けて働いていた人などは分かるかもしれないが、水疱瘡の伝染力は凄まじい。一人出たら直ぐにお祭り状態である。ワクチンを打つのが怖いというのも判らなくはないが、どうか確率論で考えてほしい。
]]>記憶にある限り、当院に掛かりつけている方で絶対に打たない方がいい方は居ません。以下に厚生労働省から発行された予診票確認のポイントからの抜粋を列記しておきます(インターネットでどなたでもダウンロードできるものです)。
5 現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか。
○基礎疾患の状態が悪化している場合や全身状態が悪い者等 体調が回復してから接種することが大切です。体調が悪いときの接種は控えます。体調が よくなった頃に、改めて次の接種を相談してください。接種後の軽度の副反応が重篤な転帰 に繋がることのないよう、特に慎重に予防接種の適否を判断する必要があります。【筆者註】心不全が入院が必要なほど増悪している方・肺炎を起こしている最中の方・発作がコントロールできていない喘息などがこれに当たるでしょうか。
○免疫不全のある方
新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクが高いとされています。米国CDCの 見解では、現時点で、有効性と安全性に関する確立されたデータはありませんが、他の接種不適当者の条件に該当し なければ、接種は可能としています。
○血が止まりにくい病気のある方や、抗凝固剤を服用されている方
筋肉内出血のリスクがあるため、接種後2分以上、強 めに接種部位を圧迫してもらう必要はありますが、接種は可能です。(なお、抗血小板薬を服用している方は、筋肉内出血の リスクではないとされていますので、接種可能です。ただし、止血に時間がかかる可能性があることにご留意ください。)【筆者註】抗凝固剤とはワルファリン(ワーファリン)・エリキュース・リクシアナ・プラザキサ・イグザレルトがこれに当たります。いわゆる血液サラサラにはこのほかにアスピリン(バイアスピリン・バファリン81・タケルダ・キャブピリン)やクロピドグレル(プラビックス・コンプラビン)・シロスタゾール(プレタール)などもありますが、これ等は抗血小板薬ですので気にしなくてよいということです。
○アレルギー疾患のある方 10を参照ください。
6 その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。
かかりつけの医師の意見がある場合に、その意見を確認した上で接種の判断を行うための質問です。 なお、かかりつけの医師に確認せずに接種を受けに来た方については、予診医が、5の内容な どに注意して問診を行い、接種が可能と判断した場合は、接種可能です。
「いいえ」のチェックがある場合、予診医が確認の上で判断したことが明確になるよう、「医師記入欄」へ接種が 可能であるか否かの記載を予診医が行うようお願いします。【筆者註】書いとるやんけ!
10 薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか。
接種するワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往のある人は、接種不適当者に該当します。 1回目の接種でアナフィラキシーを起こした人は、2回目の接種はできません。 食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症含む)、蕁麻疹、 アレルギー体質等だけでは、接種不適当者にはならず、接種するワクチンの成分に関係のないも のに対するアレルギーを持つ方も接種は可能です。 ただし、即時型のアレルギー反応の既往歴がある人は、接種要注意者として、接種後 30 分間の 経過観察をします。
ファイザー社のワクチンに含まれるポリエチレングリコールや、交差反応性が懸念されているポリソルベートを含む 医薬品については、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで検索することができます。また、ポリエチレン グリコールは、大腸の検査をする時に用いる腸管洗浄剤、医薬品・医薬品添加物、ヘアケア製品、スキンケア製品、洗 剤など、さまざまな用途に使用されています。 ポリエチレングリコールに対して重度の過敏症の既往が明らかな方は、接種不適当者に該当します。 ポリソルベートに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は、専門医による適切な評価とアナフ ィラキシーなどの重度の過敏症発症時の十分な対応ができる体制のもとで行うことが望ましいとされています。ポリソ ルベートは既存のワクチン(11 参照)等の医薬品の他、乳化剤として様々な食品に用いられています。 なお、ポリエチレングリコールやポリソルベートを含む医薬品・製品は非常に多数存在するとともに、こうした医薬 品・製品には他の成分も含まれていることから、実際には原因の特定に繋がらないことも多いと考えられます。そのた め、様々なアレルギー歴について丁寧に聴取し、原因の特定に至っていない場合も含め、過去に何らかの医薬品や食品 などで重いアレルギー症状を起こしたことがある方に対しては、十分注意をして接種の判断を行うとともに、接種後は 30 分間の経過観察を行います。 ファイザー社のワクチンのバイアルストッパーは天然ゴムラテックスで作られていないため、ラテックスアレルギー のある人にもワクチン接種は可能です。また、卵やゼラチンも含まれていないため、これらの物質にアレルギーのある 人もワクチン接種は可能です。
11 これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことはありますか。
以前に予防接種による副反応の既往があれば、その使用ワクチンの成分(添加物を含む。)と 実施しようとするワクチンの成分について共通性の確認も必要です。 1回目の接種でアナフィラキシーを起こした方は、2回目の接種はできません。アナフィラキ シー以外の即時型のアレルギー反応がみられた方についても、接種の是非を慎重に判断します。
ポリエチレングリコールを含むワクチンは、ファイザー社のワクチンが初めてです。 ポリエチレングリコールと交差反応性をもつと言われているポリソルベートを含むワクチンは、沈降 13 価肺炎球菌 結合型ワクチン(プレベナー13)、インフルエンザ HA ワクチン「第一三共」、組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様 粒子ワクチン(ガーダシル)、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(エンセバック)、5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン (ロタテック)、不活化ポリオワクチン(イモバックス)等です。即時型のアレルギー反応の既往歴が判明した場合は、 接種要注意者に該当する可能性があります。
また、これ等とは別にアナフィラキシーという重篤な即時型過敏反応が起きた場合の対処として、エピネフリンを使用するのですが、予めβ遮断薬を使用している方はこれが効かなくなる可能性があるのでグルカゴンを併用しなければなりません。β遮断薬は様々なものがありますが、当院で使用しているものはビソプロロール(メインテート・ビソノテープ)・カルベジロール(アーチスト)が殆どです。講談社が発行している週刊現代というクダラナイ週刊誌がありますが、「この薬を飲んでいる人、この持病の人はコロナワクチンをまだ打たない方がいい」と題した記事で(下手すると死にますとサブタイトルにある。その割にまだとなっている点が迫力に欠ける)、「アナフィラキシーショックが起きた際の治療では(略)このβブロッカーを内服していると(略)グルカゴンという別の薬を投与しなければならないが、接種する現場の医師がそこまで把握しているとは考えにくい」などと挑戦的なことが書いてありました。残念ながらそんなことはないのでした。きっとセンセーショナルなことを書いて売れさえすればよいと思っているのでしょう。責任のある出版社のやることではありません。「君たち、週刊誌は電車で拾って読むものであってお金を出して買ってはいけません」と高校の時、漢文の先生が言ってましたっけ。
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「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」 研究所員へ送った所長メッセージ(一部抜粋)。
所長便り 2020年3月26日
「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」
例年より早く桜の開花が進んでいます。いよいよ春ですね。
皆さんにお願いがあります。今年のお花見は、人混みは避け、近くで咲いている桜の周りを散歩するだけにしてください。
多くの人が集まり、座り込んで宴会するのは、たとえ屋外であっても飛沫感染や接触感染のリスクが高まります。自粛要請があるとは言え、この週末は全国から多くの人が京都に来られるかもしれません。新型コロナウイルスはすぐそこにいるかもしれません。感染すると、自分は症状が出なくても、周囲に広がって、リスクの高い方には生命の脅威となります。
新型コロナウイルスはすぐそこにいるかもしれないと自覚することが大切です。桜は来年も必ず帰ってきます。もし人の命が奪われたら、二度と帰ってきません。
1人1人が油断せず、万全の対策を取って頂きますよう、お願いいたします。
山中 伸弥
その通りだと思う。
夜のニュースに『総理大臣』が映っていた。何か喋っていた。大きなホールに閣僚や官僚や報道陣を大勢集めて。集まっちゃいけないんだってば。その中に感染者が絶対一人はいるって。
今さら言っても仕方がないが。
武漢からの帰国者による感染拡大も、クルーズ船からの国内侵入も食い止めた。学校も閉めた。思えば攻防は春分の日からの連休にあった。ヨーロッパに観光に行っていた人をそのまま国内に入れてしまった。格闘技もやってしまった。女の園のミュージカルもやってしまった。閉めていた遊園地も開けてしまった。一家でジェットコースターに乗ったという人がいた。掴まるところだって安全器具だって一々消毒したわけでもないだろう。先頭の人が感染者で、「キャー」と言ったら後ろの人はどうなるのだろう。
いけない。暗くなってしまった。振り返っても仕方がない。前を向くだけだ。山中先生を見習おう。
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歓送迎会で飲酒後宿泊。21:50 頃胸痛を自覚し家族に今から救急車を呼ぶ旨を電話。
22:01 消防覚知。22:05 フロントで昏倒。Bystander CPR(その場にいた人が直ちに行う心肺蘇生)なし。
22:06 現着時深昏睡あえぎ呼吸(死戦期呼吸)。CPA(心肺停止)の判断でCPR(心肺蘇生)開始。初期波形Vf(心室細動)で以後搬送までにAED(自動体外式除細動器)作動6回。
22:23 病院到着時PEA(無脈性電気活動)であったが、ベッド上で再びVf。ACLS(二次救命処置)を開始しcardioversion (電気ショック)1回で22:27 ROSC(自己心拍再開)。急性心筋梗塞と診断され心臓カテーテル室搬入。左冠動脈前下行枝の完全閉塞に対し吸引で再灌流を得た後、ステント留置術を行った。手技中Vfありcardioversion。IABP(大動脈バルーンパンピング;簡単に入れられる心臓の補助装置)を装着しCCU(coronary care unit;心臓の集中治療室)に入室。アシドーシス(体液が循環不全などで酸性に傾くこと)が遷延しており、多量の強心剤でも血行動態が維持されず、再度カテーテル室に搬入してPCPS(比較的短時間で開始できる人工心肺)を開始した。当初大量の血流を要していたが、その後順調に経過。4日目にPCPS抜去。翌日IABP抜去、人工呼吸器から離脱。以後一時的に心不全兆候を認めたものの比較的順調にリハビリを行い、17日目に退院した。
‘ツッコミどころのない人は運ばれてこない’、これは救命センターで働いていた当時の私の持論であった。では何故このような一次会で帰るタバコも吸わない善良な人がこんな目に遭わなくてはならなかったのだろうか▼搬送された時のデータはLDLコレステロール 119mg/dL, HDLコレステロール 34mg/dL, 中性脂肪 221mg/dL, HbA1c 5.5%だった。空腹時でない点が微妙であるが低HDL(40〜)であるのは間違いない。‘善玉’が低いのである。そもそも基準値とは何であろうか。LDLコレステロール(いわゆる‘悪玉’)は70〜139とあるがそれでよいのだろうか▼基準値をどうやって決めているかというと95%の人が入るように機械的に決めているだけだ。200人連れてきて、上下5人ずつはみ出すようにである。食べ物が溢れている国では高めに決まるはずである。有病率の問題もある。例えば糖尿病のような日本人の1割以上が罹患している病気では95%に入っているからと言って安心はできまい。逆にどういう人が安全に長生きをするかというのを統計的に解析すると、層別化が必要なことが見えてくる。つまり?ただコレステロールが高いだけの人 ?高血圧や糖尿病などの他の危険因子を持っている人 ?狭心症/心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントを既に起こしてしまっている人で分けて考えなければならないのだ。勿論?を一番厳しくしなければならない。しかも年を追う毎にデータが蓄積されることによって更に厳しくなって行く。今年動脈硬化学会のガイドラインが改訂され、?に関しては<100から<70になった。つまり70以下まで下げた方が心血管イベントの再発率が低いということだ。正直に言ってやっと私の実感に近い数字になったという感がある。では?はどうか。大雑把に言えば100以下だろう。どうやって下げるかと言えば‘スタチン’である。正式にはHMG-CoA還元酵素阻害薬と呼ばれる一群の薬剤であるが、全て一般名に〜スタチンと付くので業界用語で‘スタチン’と呼ばれている。現在6種類のスタチンが上市されているが最後のロスバスタチンがこの冬で特許切れとなり、全てジェネリックが揃うことになった。医者の私がこういうことを言うのもなんだが、‘努力よりスタチン’である。ところがこのスタチン、中々素直に飲んでもらえない。上述の如く??の人は‘基準値’に入っていても内服しなければならないのだが、それが理解してもらえない。薬はなるべく朝1回にに揃えるようにするのだが、それでもである。何年か前に高血圧の薬とスタチンの合剤が発売されて、脂質のコントロールが格段に良くなった人が大勢出た。血圧の薬は真面目に飲むけどスタチンは捨てちゃってたのである。合剤にすると飲まないと血圧が上がるから仕方なく飲むのだ。嗚呼▼冒頭のSさん、CCUでのご子息の怒号が今でも耳に残っている。「なんでだよーっ、おやじー、起きろよー!!」。薬で眠ってるのだけなので本当に起きたら困るからあまり大きな声出して揺すらないで欲しいとは心の声。断言するが(と言っても証明のしようもないが)、スタチンさえ出されていればこうなってなかったのである。後から聞いたことだが、まともに口もきかないほど親子関係は良くなかったが、この入院をきっかけに仲良くなったらしい。「雨降って地固まる」というと軽すぎるだろうか。
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新潟県加茂市の高校で7月、野球部の練習直後に倒れ重体になっていた2年生の女子マネジャー(16)が、5日に入院先の病院で亡くなった。死因は低酸素脳症だった。7月21日午後5時半すぎ、3・5キロ離れた野球場での練習に参加。午後7時半ごろに練習を終え、部員と一緒に走って学校に戻った直後、玄関前で倒れたという。駆けつけた監督は「呼吸は弱いけれどある」と判断し、救急車が来るまでの間AED(自動体外式除細動器)は使用しなかったという。(2017年8月6日朝日新聞より抜粋)
記事の内容から判断するに、消防署で一般市民に対して行う講習を受ければできる程度の心肺蘇生とAEDの使用があれば助かった蓋然性が高い。この件に関する様々な報道で‘死戦期呼吸’という言葉が出てくる。結論から言うと心臓が止まっていても呼吸が完全には止まっていない状態があり、その呼吸の仕方には一定の特徴があって、これが見られたら心肺蘇生を開始しなくてはならないということだ▼死戦期呼吸とはどんなものだろうか。?下顎呼吸 下顎を動かして空気を飲み込むような呼吸 顎だけ動いて胸郭は動かない?鼻翼呼吸 鼻翼が広がったり縮んだりでやはり胸郭は動かない?あえぎ呼吸 深い吸息と速い呼息が数回続いた後に無呼吸となる。一方心停止はどういうふうに定義されるか。?心静止 (asystole) 心電図もまっ平らな状態?無脈性電気活動 (pulseless electrical activity) 心電図上収縮波形はみられるが脈が触れない?無脈性心室頻拍 (pulseless ventricular tachycardia) 心室頻拍で脈が触れないもの?心室細動 (ventricular fibrillation) 心筋が不規則に痙攣し、機能的な収縮運動がみられない。新潟県のケースは報道から心室細動だったと考えられる。心静止でも1分ぐらいは死戦期呼吸が見られることはあるが、長く続かない。一方心室細動ではかなり長く観察されることもある。実は血圧にすると30mmHgぐらいに相当する血流が出ており、脳幹機能がある程度保たれるからである。だから心静止より心室細動のほうが同じ心停止に分類されていても断然蘇生率も社会復帰率も高い▼心臓が止まれば呼吸も直ぐ止まる・呼吸があれば心臓も動いているという思い込みがあったのであろうか。「心肺停止」という言葉が足を引っ張っているような気がした。
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?常に新しい医学知識・治療手段をキャッチアップし、自分の中で評価して、患者さんに勧めるべきは勧められるようにしておく。
?自院で完結できる患者さんはなるべくそうできるように、common disease(ありふれた一般的な疾患)を中心に守備範囲を拡げていく(拡げ過ぎに注意!)。
?患者さんにとってベストの連携が取れるように常にアンテナを張り、連絡を密にしておく。
?大切なのは一にも二にもコミュニケーションと心得、そのスキルに磨きをかけていく。
?笑い声の絶えないクリニックにしたい。
こんなことを考えています。‘いかにして最も幸せな姿をデザインしていくか、そんな思いを名前とロゴに込めたつもり’ と以前に書きましたが、果たしてどのくらい実現出来ているのか、自問する毎日です。
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国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火三月に連なり
家書抵萬金 家書萬金に抵る
白頭掻更短 白頭掻かけば更に短く
渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す
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‘なんでパパのこと知ってるんだろぅww’ こらっ。
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済生会宇都宮病院をジンベイザメに例えると、うちのクリニックはコバンザメです(周辺の他の先生方ゴメンナサイ)。23年に及ぶジンベイザメでの生活を終え、連携を前提として開業させていただきました。今でも週1回診療しに行っていますし、事前に患者さんの同意が得られていればインターネット回線を通じてある程度の医療情報をクリニックに居ながらにして見ることができます。常に数名の患者さんが入院しておられますし、当院から救急搬送することもしばしばです。予期せぬ状態で患者さんが搬送された場合もすぐわかることが多いですが、そうした場合は本当にショックです。また私の外来に戻ってきてくださる場合もありますが、慢性期を診て下さる病院に転院になったり、不幸の転機になったりということもあります。ご家族が今後のことを相談しに来て下さる場合もよくあります▼そこでしばしば問題になるのは‘延命治療’です。元気にクリニックにいらっしゃる患者さんとの話の中でよく、ご自分は延命治療は望まないという話になります。恐らくこちらからインタヴューしたりアンケートを取ったりすればほとんどの方がそうおっしゃるのではないでしょうか。‘延命治療’って何でしょうか。心臓マッサージや電気的除細動でしょうか?気管内挿管・人工呼吸管理でしょうか?胃瘻・経管栄養でしょうか?中心静脈栄養でしょうか?それぞれ考える範囲は違うでしょうし、必ずしも全てのことを理解して言ってない場合もあるでしょうが、要するに見込みが限りなく薄いのに苦痛の時間を無駄に長引かせないで欲しいということだと思います▼日本は特殊な国です。癌の患者さんに告知をちゃんとするようになったのはつい最近のことですが、今でも予後をはっきり言わないケースが多くみられます。本人が延命治療を望まないのにしばしばそうなってしまうのも理屈は似たようなところにあるかもしれません▼胃瘻は日本独特の文化だそうです。また中心静脈栄養は急性期・亜急性期の状態には有効かもしれませんが、腸から栄養が吸収されなくなったら長期的な予後は厳しいことが判り切っており、これこそザ・延命治療だと思うのは私だけでしょうか。慢性期病床においては医療区分や医業収入の確保の観点から、転入院するとすぐに勧められることが多いのが実態のようです。自分だったらどうされたいか事前に考えておくことが大切かもしれません。
]]>事務職員の1人がインフルエンザで急な休みになってしまったことも影響しました。事務はインフルエンザの患者さんに最初に対面するので若干伝染する可能性が高いかもしれません。申し訳ないと思います。看護師はインフルエンザかもしれないという情報があって、医師はインフルエンザという診断が下ってそれぞれ接するのでそれなりに身構えますので。
フランスの大統領がまずは無難な方に決まりました。フランスのみなさんに感謝。社会が不安定になると選択がどんどんエキセントリックになり、戦争が近くなっているような感じがして嫌ですが、その点で無難な方に決まったという意味です。ところで39歳というのは異例の若さだそうですが、奥さんは25歳年上の64歳。15歳(日本でいうと中学?)の時の学校の先生(当時40歳)だそうです。演説の原稿は‘先生’がチェックしているのだとか。別にありえない価値観として驚いているのではありません。むしろフランス人の情熱と合理主義、知性そして懐の深さを感じます。アメリカ大統領だって24歳差(但し男女は逆)ですがこっちはフツーの価値観でしょうか。
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